学園標語とともに
「 マリアさま いやなことは私がよろこんで 」という言葉は、創立者江角ヤスが残した学園標語です。学園の長い歴史の中で受け継がれ、親しまれている言葉です。学園に学ぶ者にとってこの言葉は単なる標語ではなく、日常的な日々の生き方の実践的指針となっています。江角ヤスは次のように語っています。
「 計算をしないで他人を喜ばせよう。だまってちりを拾おう。だまって重いものを持ってあげよう。だまってお手洗いの掃除をしておこう。
マリアさま、自分のことしか考えない私を、かくれてよいことをする人間となし、隣人を喜ばせるご奉仕の実行ができるようにしてください。 」と。
私たち人間は誰しも、つらく苦しい仕事よりも、楽な仕事を選ぶ傾向を持っています。その人間の姿を見つめ、それを乗り越えていこうとする祈りの心がこの言葉に込められています。他者を大切にしたいという思いが込められています。一人一人のその思いが人間社会の潤滑油となり、人々を幸福にする力となっています。
急速に進歩発展する現代社会は、経済・情報・環境等のグローバル化が進み、効率性を追求する競争社会となっています。そのような中で私たちには世界の人々とともに生きる力が求められています。今日のような時代だからこそ、「 マリアさま いやなことは私がよろこんで 」という隣人愛と奉仕の精神で命を育み、賢く強く生きる女性の役割が重要になってくるのではないでしょうか。
鹿児島純心女子学園
理事長 松下 栄子