鹿児島純心女子短期大学

株式会社 Table of Smile 代表取締役:フードコーディネーター information

食と人と地域をつなぐことで、鹿児島の魅力をもっと発信したい!

杉水流直子さん

鹿児島市出身。食物栄養専攻を卒業後、学校栄養士として5年間、食育と栄養管理に携わる。その後、株式会社寿福産業で8年間、フードコーディネーターとして、メニュー提案や撮影スタイリングなどを担当。2013年、鹿児島初の「1級フードコーディネーター」を取得。2014年に『フード・プロデュース Table of Smile』を創業。2015年には『フードコーディネーター全国サミット』で準グランプリを受賞。2017年から『鹿児島フードコーディネーターカレッジ』を開講するほか、2023年にはキッチンスタジオ『Garden Kitchen Studio』をオープン。母として育児や家事に奮闘しながら、食育に関する講演会や食のイベント企画を通して、食べる楽しさ、鹿児島の食の魅力も伝えている。

お仕事について教えてください。

地域の食のブランディングや商品開発、飲食店のメニュー開発、企業の食に関する宣伝写真や動画の撮影スタイリングなど、食にまつわるありとあらゆることが仕事です。食の持つ力を通して、人の輪をつなぎ、笑顔を増やすお手伝いをしたいと、2014年にはフード・プロデュースを手掛ける『Table of Smile』を起業。社名には「食の幸せをテーブルにいっぱい咲かせたい!」という願いを込めました。

食のお仕事のやりがいは何ですか?

“ 地産「知」消”を意識して仕事をすることがやりがいにつながっています。鹿児島の食に携わって20年以上が経ちますが、まだ知らない食があります。もっとたくさんの方に素材や生産者、地域の魅力を「知って」消費していただき、鹿児島のファンになってもらえたら嬉しいです。
メニュー撮影のときには、鹿児島の作家さんの器を使うようにしています。目に見えない「想い」も一緒に伝えることで、食と人と地域をつないでいきたいです。

今の仕事に栄養士の学びはどう生かされていますか?

短大卒業後、甑島で3年、鹿児島市の給食センターで2年、学校栄養士として働きました。そのときの子どもたちへの食育は、親子向けの料理教室やイベント企画に生かされています。
また、短大で学んだ栄養価の計算は、商品の栄養表示や、飲食店のカロリー表示に役立っています。商品開発やメニュー作成では、食材の美味しさや栄養を損なわない調理をすることが求められます。学生時代の栄養や調理の知識に助けられています。

純短で学んで良かったことは何ですか?

それぞれの食の分野で活躍する仲間と出会えたことです。最先端の介護食や幼稚園給食に携わっている同級生がいます。頑張っている仲間の存在は良い刺激になっています。
そして、今でも役立っているのは、調理実習で身に付いた時間の逆算です。逆算する感覚を体にしっかり染み込ませれば、準備から調理、後片付けまでの段取りが良くなり、どんな現場でもこなせるようになります。

在学中の一番の思い出は何ですか?

純大祭(現在は純短祭)でピタパンサンドを出すために、先生に直談判に行ったことがありました。生野菜を使うため、最初はNGを出されましたが、クリアする方法を考え、工程について何度も説明し、最終的に許可をいただきました。
頭ごなしにダメというのではなく、クリアする経験を与えてくださったことは、今につながっています。振り返ると、食べることを楽しむのが好きで、メニューをあれこれ考えることが好きな学生でした。

私たち学生にこれから必要なことは何でしょうか?

まずは食を楽しんでください。イチゴが好きな人は品種を食べ比べてその違いを味わったり、実際にイチゴ狩りに出掛けてみるのも良いと思います。毎日飲むスープも野菜の切り方を変えるだけで、食感や味も変わってきます。
実際に素材に触れて、匂いを嗅ぎ、口に入れて、その違いを楽しむこと。私は今でも食へのワクワクが止まりません。だからこそ、この仕事が続けられています。

高校生に向けてメッセージをお願いします。

皆さんが働く頃は、今まで以上にAI が発達し、食の分野も自動化が進みます。そんな中、私たち人に必要とされるのは感性です。スマホですぐに調べて答えを見つけたりせず、まずは感じてください。感性は体験しなければ、自分のものになりませんし、磨かれていきません。
人は食べるとき、目で見て、耳で音を、鼻で匂いを感じ、触れて、味わいます。五感は食や料理を作る台所で育まれます。いろいろなことを経験して、たくさん感じてください!

  • 杉水流直子さん
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フードコーディネーター Sさん:1999年 食物栄養専攻卒業 (錦江湾高校出身)